金沢・高岡の歴史地区

~近世日本の藩政治を伝える街並みと文化芸術~

ひがし茶屋町
金沢城跡
寺町台
兼六園
瑞龍寺
金屋町

 石川県・金沢市と富山県・高岡市はそれぞれに 近世(江戸時代)の城下町と商工業都市が当時のまま残っています。 城はもちろん武家町、商人町、職人町といった街並みや、 当時の面影を伝える大名庭園、大規模寺院など、 当時のまま残っている風景の豊富さは日本有数です。
 さらに両都市は、近世で文化活動が活発だった加賀藩の領地だったことから 日本を代表する文化芸術が発展・継承されて、国際的な評価を受けて今日に至ります。 このことからも両都市は、近世日本の都市の見本と言えます。
 世界的にもあまり見られない木の文化圏での歴史的街並みの風景(景観)と、 その街並みと深い関係にある文化芸術が評価されて、 世界遺産になってたらいいのにな~

目次

  1. STORY1 近世の藩政治を伝える代表的な街並み
  2. STORY2 近世の街並みで育まれた文化芸術
  3. ストーリーを構成する文化財
  4. 似ている世界遺産
  5. 関係する外部サイト
  6. 作成者から
  7. 参考文献・サイト

STORY1 近世の藩政治を伝える代表的な街並み

 金沢と高岡の両都市は江戸時代、加賀藩に位置していました。
 金沢は加賀藩の中心都市として、金沢城を中心とした城下町が形成されました。 その城下町を形成していたのは、中心となる城郭、 武士が住む武家町、町人が住む町人地、寺院が集まる寺町、飲食店などが集まる茶屋町、 更には水路といったものが挙げられます。 これだけの要素が揃っているのは、金沢が江戸時代の日本を代表する大都市だったからです。 だからこそ金沢の街並みは、近世日本を代表する城下町の景観(風景)です。

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金沢はどれほどの大都市だったの?
そういえば、城下町ってなに?

 一方の高岡は、加賀藩の商工業都市として発展しました。 商工業都市を形成していたのは、倉庫などが置かれた城郭跡 商取引を行っていた商家町、 鋳物を生産する職人が住んでいた職人町(鋳物師町)、 加賀藩の年貢米取引で栄えた港町(在郷町)などが挙げられます。 更には複数の大規模寺院も、高岡の発展を語るうえで欠かせない要素です。 近世の商工業都市は日本中に残存していますが、高岡ほどに 商工業都市を構成する要素が数多く残っている都市はありません。 ですので、高岡の街並みは、近世日本を代表する商工業都市の景観(風景)です。

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高岡は城下町ではないの?
高岡と大規模寺院はどんな関係なの?

 金沢と高岡の両都市が位置していた加賀藩を統治していたのは、 前田利家を祖とする前田家でした。 前田家は両都市の都市計画を担い、加賀藩を日本有数の経済地域に発展させていきました。 そんな前田家に関する大名庭園や墓といった文化財も、両都市には残されています。  また、加賀藩は江戸時代に存在した藩の中で、もっとも大きな規模を誇っていました。 そんな加賀藩の繁栄を物語っている言葉が、「加賀百万石」です。 そして「加賀百万石」を象徴する景観が、金沢と高岡です。

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前田利家って?
加賀藩はどれほどの規模だったの?

 近世日本で最大の藩として繁栄した加賀藩。そして、 近世日本を代表する大都市だった城下町・金沢と、 近世日本の商工業を今に伝える商工業都市・高岡。 これらは、近世日本に存在した「藩」が、 どのような政治やまちづくりを行っていたのか、 そして、どのような街並み・景観が育まれたのか、 の顕著な見本です。
 つまり、金沢と高岡は、近世の藩政治を伝える代表的な街並みだと言えます。

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STORY2 近世の文化芸術を育んだ景観

 加賀藩は近世の間、その豊富な経済力で文化芸術にも力を注いでいました。 その結果、現在でも金沢と高岡は、近世以来の文化芸術が豊富に残っています。 文化芸術が育まれた景観も残っているのが、両都市の強みです。 これらの文化芸術は近代(明治以降)には万国博覧会でも出展され、 国際的な評価が高いことで知られています。 また、高岡では祭りで披露される、町の工芸品の集大成ともいえる御車山が、 ユネスコ無形文化遺産に登録されています。 この御車山も、近世都市の文化を今に伝える上で欠かせない存在です。

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加賀友禅、加賀繍って?
金沢はなぜ金箔産業が発展したの?
金沢と高岡の両都市で漆器生産が行われているのはなぜ?
高岡銅器って?
高山御車山についてもう少し詳しく

 このような近世を代表する文化芸術だけでなく、景観も残っているのが金沢と高岡です。 「近世」がそのまま残っている両都市は、その時代を語る上で、まさに代表的な存在です。

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ストーリーを構成する文化財

全部で18の文化財を選んでいます。(縦スクロールになっています)

  文化財の名称 概要 ギャラリー/関連サイト
1 金沢城跡

<金沢・城下町>

金沢の城下町の中心となった、加賀藩の居城です。金沢と高岡の両都市のまちづくりや文化政策を行っていた場所でもあります。場内に残る石川門、三十間長屋、鶴丸倉庫は当時の姿を留めています。 金沢城跡
2 高岡城跡

<高岡・商工業都市>

高岡の中心地として整備された城ですが、すぐに廃城となってしまいます。その後は商工業都市を管理する役場などが置かれ、中心的役割は維持されました。 高岡城跡
3 兼六園

<金沢・城下町>

  • 大名庭園
日本三名園にも数えられる大名庭園で、加賀藩の前田家が代々築いてきました。 兼六園
4 成巽閣

<金沢・城下町>

  • 大名庭園
  • 加賀藩主・前田家
藩主の母親の隠居場所として、兼六園に隣接する場所に建てられた建物です。庭園も見ることが出来ます。 成巽閣
5 加賀藩主前田家墓所

<金沢・城下町>

  • 加賀藩主・前田家
歴代の加賀藩主が眠る墓所です。 墓所
6 加賀藩主前田家墓所

<高岡・商工業都市>

  • 加賀藩主・前田家
歴代の加賀藩主が眠る墓所で、高岡を築いた二代藩主のみ高岡に墓があります。 墓所
7 瑞龍寺

<高岡・商工業都市>

  • 加賀藩主・前田家
  • 大規模寺院
高岡を築いた二代藩主を弔うために建立された大規模寺院です。 墓所
8 辰巳用水

<金沢・城下町>

  • 城下町の景観
  • 用水路
城下町の防火などを目的に開削された用水路で、土木技術史の観点からも貴重な用水路です。 辰巳用水
9 長町武家屋敷跡

<金沢・城下町>

  • 城下町の景観
  • 武家町
城下町に住んでいた武士たちの住居が建ち並ぶ武家町です。 長町武家屋敷
10 東山ひがし

<金沢・城下町>

  • 城下町の景観
  • 茶屋町
通称「ひがし茶屋街」は、近世の茶屋建築がまとまって残されている茶屋町です。 ひがし
11 主計町

<金沢・城下町>

  • 城下町の景観
  • 茶屋町
通称「主計町茶屋街」で、こちらも東山ひがしと同じく茶屋町です。 主計
12 卯辰山麓

<金沢・城下町>

  • 城下町の景観
  • 寺町
藩政期からの細街路や町割りが色濃く残る寺町です。 卯辰
13 寺町台

<金沢・城下町>

  • 城下町の景観
  • 寺町
こちらも卯辰山麓と同じで、藩政からの細街路や町割りが色濃く残る寺町です。 寺町台
14 金沢の文化的景観

<金沢・城下町>

  • 城下町の景観
  • 用水路
金沢の城下町の景観を伝える城、用水路、街並み、河川などが一体的な「文化的景観」として国によって保存されています。 金沢城
15 山町筋

<高岡・商工業都市>

  • 商工業都市の景観
  • 商家町
高岡の中心地を通る街道の商取引を行っていた商人たちによって発展した商家町です。 山町筋
16 金屋町

<高岡・商工業都市>

  • 商工業都市の景観
  • 鋳物師町
高岡で発展した高岡鋳物を作成する鋳物師によって発展した鋳物師町です。 金屋町
17 吉久

<高岡・商工業都市>

  • 商工業都市の景観
  • 港町
  • 在郷町
加賀藩の年貢米を収納する「御蔵」が設置されたことで発展した港町 吉久
18 勝興寺

<高岡・商工業都市>

  • 商工業都市の景観
  • 大規模寺院
近世当時から姿を変えていない大規模寺院です。寺院周辺は寺内町として大きく発展し、高岡を語るうえで欠かせない存在です。 勝興寺

選んだ基準は

としていますので、 重要文化財・登録文化財になっている商人家屋 、金沢市独自の街並み保存制度「こまちなみ」などは選んでいません。 ただ、⑨長町武家屋敷跡は国が指定していないので構成遺産には含まないべきなのですが、 個人的に含めたいという強い願望から、例外的に選んでいます。

文化財の所在地は以下の地図をご覧ください。

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似ている世界遺産

平遥の古代都市(中国)

紀元前に築かれた城壁の中に、明王朝から清王朝時代にかけての街路や役所、商店、 民家などが往時の姿をとどめています。この時代に中国各地に築かれた県城の原型が 残っている点も、金沢・高岡と似ています!

平遥
アッコの旧市街(イスラエル)

18世紀にオスマン帝国によって整備された城塞都市で、 細い路地にモスクや隊商宿、公共浴場などが建ち並んでいます。

サナアの旧市街(イエメン)

中世アラビア都市の面影を色濃く残す城塞都市です。地震が少ないことや鎖国政策だったことから、 現在でも100を超えるモスクと64のミナレット(塔)、6000棟以上に上る高層住宅、 スーク(市場)などが中世のまま残されています。

サナア
サン・マリノの歴史地区とティタノ山(サン・マリノ)

サン・マリノはイタリアに現存する唯一の都市国家です。 14世紀以降の修道院や城壁、庁舎などがティタノ山の頂に多数残っています。

ウィーンの歴史地区(オーストリア)

ヨーロッパの中心的存在だったハプスブルク家の王都として発展した歴史都市です。 国立歌劇場や市庁舎などを中心とする19世紀頃の面影を伝える歴史地区や、 16世紀に活躍したモーツァルトやベートーヴェンなどの影響から ヨーロッパの音楽・芸術文化の中心地として発展した点も評価されています。

べルヴェデーレ宮殿
シュトラールズント及びヴィスマールの歴史地区(ドイツ)

ふたつの中世都市は14~15世紀にハンザ都市として発展しました。両都市に残る建造物は ゴシック建築の技術的発展を今に伝えています。

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関係する外部サイト

金沢市ホームページ/文化財保護課/金沢の提案

金沢市による世界遺産の提案内容がまとめられています

高岡市ホームページ/文化財保護活用課/世界文化遺産登録を目指して

高岡市による世界遺産の提案内容がまとめられています

高岡市ホームページ/文化財保護活用課/高岡の日本遺産の物語についてもっと詳しく

高岡市は世界遺産ではないですが、日本遺産に登録されています。その内容はこちらからどうぞ

石川県立歴史博物館

金沢市の歴史をはじめ、石川県の歴史をわかりやすく紹介・展示を行っている博物館です。

金沢市立安江金箔工芸館

金沢での金箔を用いた工芸品を展示している博物館です

いしかわ生活工芸ミュージアム

金沢市をはじめとした石川県内の伝統的工芸品を展示している博物館です

加賀友禅

加賀友禅に関することが集まる情報サイトです

高岡市立博物館

高岡市の歴史・文化を紹介している博物館です

高岡市鋳物資料館

高岡鋳物に関する展示を行っている資料館です

高山御車山会館

高山御車山を通年展示している博物館です

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作成者から

関係する外部サイトでも紹介していますが、 この金沢と高岡は、それぞれの街が世界遺産を目指しているんです

ただ、一個人としては二つの街が揃えば、「加賀藩について」とかいったように伝えられる情報が増えるのに~

って、思っちゃうんですよね。

世界から見れば県とか市とかは狭い世界ですし。

とは言っても、このサイトはあくまでも想像です!

意味のない意見をここで書いても問題ないですよね?

ただ、世界を見渡しても木で出来た歴史地区ってほぼ無いんです。 やっぱり燃えやすいとか、いろんな理由があると思います。 だからこそ、木で出来た歴史地区が残っていることに大きな価値があります。 その中でも特に情報量が多いのが金沢と高岡です。 そんな木で出来た歴史地区の景観を、豊富な情報量で世界遺産として後世に残すことは、 すごく意味があることだと、私は思っています!

最後になりましたが、このページを最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
今後もまだ見ぬ日本を、世界遺産に当てはめて紹介していきますので、よろしくお願いします!

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参考文献・サイト

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